梅干し作りに粗塩が良いのはなぜか?
粗塩には、にがりが含まれているのがポイント!
なぜ、普通の塩ではく、「粗塩」なのか?
梅干し作りの大事な材料である「粗塩」の事を説明しておきたいと思う。
粗塩にはいろんなミネラルが含まれているのが良いとされている。
もちろんそれはそれでいいのだが、もっと重要な事がある。
それは、粗塩にはうまく梅干しを漬けられる成分が含まれているということだ。
その成分とは、「にがり」だ。
なぜ「にがり」が含まれていると、梅干しがうまくできるようになるのか?
にがりとはマグネシウムのこと。
一方、野菜など、植物の細胞にはペクチンと呼ばれる物質が含まれている。
このペクチンは、野菜の細胞と細胞をつなぎとめる役割があり、
野菜が煮崩れしたりするのは、このペクチンが流れ出て野菜から失われてしまうからだ。
にがりのマグネシウムはこのペクチンに作用する。
ペクチンと結びついて野菜の細胞がバラバラにならないようにしてくれる。
野菜の煮崩れ防止のためににがりを加えるのは料理の世界では知られたことだ。
梅もしかり。
にがりが梅のペクチンと結びつくことで、塩の浸透圧に負けることなく
皮は破けにくくしっかりと保ちながら、果肉はしっとりジューシーに仕上がってくれる。
食塩は精製塩だから、にがりを含んでいないので、こういった効果は期待できない。
粗塩の方が梅酢の上がりが早いという話もよく聞くが、
これは粗塩の方が、粒の荒さのため梅にしっかり付着しやすいからのようだ。
食塩に比べて粗塩は少しお高いが、梅干し作りには必須なので是非粗塩を用意したい。